アフターピルは何時間以内?緊急避妊薬の効果・費用・受診の流れを解説
はじめに
急いでいる方へ|結論からお伝えします
- 緊急避妊薬(アフターピル)は、性交後72時間以内の服用が目安です
- 早ければ早いほど効果が期待できます。今日中に受診できるなら、今日受診してください
- 産婦人科・婦人科で処方を受けられます。まず電話で「緊急避妊の相談」と伝えてください
- 72時間を過ぎていても、方法が残っている場合があります。あきらめずに相談してください
名古屋市緑区の徳重ウイメンズケアクリニックでは、緊急避妊薬を当日処方しています。アフターピルのご案内/TEL:052-877-1333
ここから先は、少し落ち着いてから読んでいただいて大丈夫です。
避妊がうまくいかなかった、コンドームが破れた、避妊しないまま性交渉があった。そうした状況は、誰にでも起こりえます。パニックになって時間だけが過ぎてしまうことがいちばんもったいないので、この記事では何をいつまでにすればよいかを最初に整理し、そのうえで仕組みや費用、その後のことをお伝えします。
責められるべきことではありません。必要な対処を、必要なタイミングで行うだけです。

アフターピルとは|仕組みと「72時間」の意味
排卵を遅らせて、受精を避ける
緊急避妊薬(アフターピル)は、望まない妊娠を避けるために、性交後に服用する薬です。
主に使われるのはレボノルゲストレルという黄体ホルモンの製剤です。その主な働きは、排卵を抑える・遅らせることにあります。排卵が起きなければ、精子が体内にいても受精は成立しません。
ここは誤解が多いところなので、はっきりお伝えします。緊急避妊薬は、すでに成立した妊娠を終わらせる薬ではありません。妊娠中絶薬とはまったく別の薬です。あくまで妊娠の成立を防ぐための薬です。
なぜ「早いほどよい」のか
排卵を抑えることが主な働きなので、排卵が起きてしまう前に飲む必要があります。これが「早いほど効果が期待できる」理由です。
一般に、性交後72時間以内の服用が目安とされ、24時間以内など、より早い服用のほうが高い効果が期待できると報告されています。逆に時間が経つほど、すでに排卵が起きている可能性が高まり、効果は下がっていきます。
「100%避妊できる」わけではありません
重要な点です。緊急避妊薬を飲めば必ず妊娠しない、ということはありません。
服用のタイミング、月経周期の中でどの時期だったか、体質など、複数の要因が関わります。効果には限界があることを理解したうえで、「できるだけ早く飲む」ことが唯一できる対処だとお考えください。
そして、後述しますが服用後には妊娠していないことの確認が必要です。飲んだから終わり、ではありません。
受診の流れ|何をすればよいか

1. まず電話をする
「緊急避妊の相談をしたい」と伝えてください。多くの医療機関で、この一言で対応してもらえます。詳しい事情を電話で説明する必要はありません。
診療時間内に間に合わない場合は、時間外や休日に対応している医療機関を探すことになります。地域の夜間・休日診療の案内(救急医療情報センターなど)で確認できることがあります。
2. 受診時に聞かれること
診察では、判断のために次のようなことを確認します。
- 最終月経の開始日:分かる範囲でかまいません。アプリや手帳の記録があれば持参を
- 性交渉があった日時:できるだけ正確に。時間が効果に関わるためです
- 月経周期の目安:だいたいで大丈夫です
- 現在飲んでいる薬:一部の薬は緊急避妊薬の効果に影響します。お薬手帳があれば持参してください
- 持病やアレルギー
答えにくいことを詮索するためではなく、適切な薬を選ぶために必要な情報です。
3. 服用
医療機関では、その場で服用することが一般的です。処方して終わりではなく、確実に飲めたことを確認する意味があります。
4. その後の確認
服用後、次の月経が来るかどうかを確認します。この確認までがワンセットです(詳しくは後述)。
未成年の場合
未成年の方も受診できます。 保護者の同伴が望ましいとされますが、事情によっては本人のみで相談できる場合があります。受診をためらって時間が過ぎることのほうが問題ですので、まずは電話で相談してください。
徳重ウイメンズケアクリニックの場合
当院では、アフターピルをその場で処方しています(当日処方)。未成年の方は保護者の同伴がなくても受診でき、ご希望に応じて女性医師にご相談いただけます。プライバシーに配慮した診療体制で対応しますので、まずはお電話(052-877-1333)またはWeb予約でご連絡ください。
副作用と、服用後に起こること
よくある副作用
レボノルゲストレル製剤は、比較的副作用が少ないとされていますが、次のような症状が出ることがあります。
- 吐き気・嘔吐
- 頭痛・めまい
- 不正出血(消退出血)
- 倦怠感
- 下腹部痛
- 乳房の張り
多くは一時的なもので、数日以内に落ち着きます。
服用後2〜3時間以内に嘔吐してしまった場合
薬が十分に吸収されていない可能性があります。すぐに処方を受けた医療機関に連絡してください。追加の対応が必要になることがあります。
その後の月経について
服用後、月経が予定より早く来ることも、遅れることもあります。ホルモンの影響で周期が乱れるためで、それ自体は異常ではありません。
ただし、予定日から1週間以上遅れる場合は、妊娠の可能性を確認する必要があります。
妊娠していないことの確認は必須です
ここは必ず守っていただきたい点です。
緊急避妊薬を飲んだから妊娠していない、とは言い切れません。 服用後に月経が来ない、あるいは月経のような出血があっても量や様子がいつもと違うという場合は、妊娠検査薬での確認、または受診をしてください。
目安として、性交渉から3週間後、あるいは予定の月経が1週間以上遅れた時点での確認が推奨されます。
すぐに受診が必要なサイン
服用後に強い下腹部痛(とくに片側)、めまい、立ちくらみがある場合は、異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性があります。緊急避妊薬が効かなかった場合、まれに異所性妊娠となることがあり、放置すると命に関わります。様子を見ずに受診してください。
費用と、市販で買えるかどうか
費用の考え方
緊急避妊薬の処方は、自費診療となります。
金額は医療機関によって異なり、薬剤費に加えて診察料がかかります。受診前の電話で確認しておくと安心です。「費用はいくらですか」と聞くことは、まったく失礼ではありません。
なお、性犯罪・性暴力の被害にあわれた場合は、公費による負担の制度があります。警察や、各都道府県の性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにご相談ください。全国共通の短縮番号 #8891(はやくワンストップ)で、最寄りの支援センターにつながります。
愛知県内では、性暴力救援センター日赤なごや なごみが24時間365日、電話相談を受け付けています(名古屋市昭和区・日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院内)。医療的な対応・証拠の採取・法的支援まで、一か所で相談できます。窓口の一覧と最新の連絡先は性暴力相談(名古屋市)をご覧ください。
一人で抱えないでください。
薬局で買えますか
緊急避妊薬の市販化(OTC化)は進みつつあります。 2026年2月には、薬剤師のいる薬局で購入できる市販の緊急避妊薬が発売されました。
ただし、どの薬局でも買えるわけではなく、取り扱いには条件があります。販売できる薬局は限られており、購入時には薬剤師による対面での確認が必要です。
そのため、実務的には次のように考えるのが確実です。
- 確実に手に入れたいなら、医療機関を受診する
- 市販薬を探す場合は、取り扱いのある薬局かどうかを事前に確認する
時間との勝負である以上、探し回って時間を失うより、受診できる医療機関に連絡するほうが早いことが多いのが実情です。
緊急避妊薬と低用量ピルの違い

混同されやすいので、整理しておきます。
| 緊急避妊薬 (アフターピル) |
低用量ピル (OC/LEP) |
|
|---|---|---|
| 目的 | 性交後の緊急的な避妊 | 継続的な避妊/月経困難症などの治療 |
| 飲み方 | 必要時に1回 | 毎日決まった時間に服用 |
| 効果 | 100%ではない | 正しく服用すれば高い避妊効果 |
| 位置づけ | 緊急時の手段 | 計画的な方法 |
緊急避妊薬は、日常的な避妊方法として使うものではありません。 ホルモンの量が多く、月経周期を乱しますし、繰り返し使うことで確実性が上がるわけでもありません。
もし「また同じことが起きるかもしれない」という不安があるなら、継続的な避妊方法を検討するほうが、体にとっても心にとっても負担が少なくなります。低用量ピルには、避妊だけでなく月経困難症や月経前の不調をやわらげる働きもあります。避妊目的で使う場合をOC、月経困難症などの治療目的で使う場合をLEPと呼び分けます。当院の低用量ピル外来でもご相談いただけます。
生理前の不調でお困りの方は、PMSは女性の何割が経験?の記事もあわせてご覧ください。
性感染症の確認も忘れずに
緊急避妊薬は妊娠を防ぐための薬であり、性感染症は防げません。避妊具を使わない性交渉があった場合は、性感染症の検査もあわせて検討してください。
とくにクラミジアは自覚症状が出にくく、放置すると将来の妊娠に影響することがあります。検査のタイミングは性交渉から1〜2週間後が目安です。当院の性感染症検査でもご相談いただけます。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 72時間を過ぎてしまいました。もう手遅れですか?
A. あきらめずに相談してください。時間の経過とともに効果は下がりますが、方法が残っている場合があります。医療機関によっては、より長い時間枠に対応できる選択肢を検討できることがあります。「もう遅いから」と受診をやめてしまうのがいちばん惜しい判断です。
Q. 生理中でも妊娠しますか?
A. 月経周期は乱れることがあり、「安全な日」を確実に特定することはできません。月経中だから絶対に妊娠しない、とは言えません。心配な状況であれば相談してください。
Q. 何回も飲んで大丈夫ですか?
A. 医学的に「生涯○回まで」という制限があるわけではありませんが、日常的な避妊方法として使うべきではありません。月経周期が乱れやすくなりますし、効果も100%ではありません。繰り返す状況があるなら、継続的な避妊方法の相談をおすすめします。
Q. パートナーに知られたくないのですが
A. 医療機関には守秘義務があります。ご本人の同意なく第三者に伝えることはありません。安心してご相談ください。
Q. 授乳中でも飲めますか?
A. 授乳中の服用について気になる点がある場合は、必ず授乳中であることを伝えて相談してください。状況に応じた説明を受けられます。自己判断で市販薬を使わないでください。
Q. 服用後、いつから性交渉をしてよいですか?
A. 緊急避妊薬の効果は、その一回の性交渉に対するものです。服用後の新たな性交渉には効果がありません。次の月経が来るまでは、必ず確実な避妊(コンドームなど)を行ってください。
Q. 妊娠していた場合、赤ちゃんに影響はありますか?
A. 気づかずに服用してしまった場合の影響について、心配される方は多くいらっしゃいます。不安を抱えたまま過ごさず、必ず相談してください。状況に応じた説明をいたします。
まとめ:早く動くことが、いちばんの対処です
緊急避妊薬のポイントを整理します。
- 性交後72時間以内が目安。早いほど効果が期待できる
- 主な働きは排卵を抑える・遅らせること。中絶薬とはまったく別のもの
- 100%避妊できるわけではない。服用後の確認までが必要
- 次の月経が1週間以上遅れたら、妊娠の確認を
- 強い下腹部痛・めまいは異所性妊娠の可能性。様子を見ずに受診を
- 処方は自費診療。性暴力被害の場合は公費の制度と #8891
- 市販化は進んでいるが取り扱い薬局は限られる。確実なのは受診
- 性感染症は防げない。検査もあわせて検討を
- 繰り返す不安があるなら、継続的な避妊方法の相談を
避妊がうまくいかなかったことは、失敗でも落ち度でもありません。起こったことに対して、できる対処を早く取る。それだけです。受診をためらって時間が過ぎることだけは避けてください。
名古屋市緑区の徳重ウイメンズケアクリニックでは、緊急避妊のご相談をお受けし、当日処方に対応しています。診療時間や対応状況はお電話でご確認ください(TEL:052-877-1333)。低用量ピルによる継続的な避妊のご相談もあわせて承ります。