ニューボーンフォトはいつ撮る?生後何日までかと当日までの準備リスト

はじめに
生まれたばかりの赤ちゃんの、しわしわの手。まだ小さく折りたたまれたような姿勢。産着に埋もれるほどの体。
——この時期の姿は、驚くほど早く変わっていきます。「あっという間だった」というのは、産後を経験した方が口をそろえておっしゃることです。ニューボーンフォトは、その一瞬を残すための撮影です。
ただ、いざ考え始めると疑問が出てきます。「いつ撮るのがいいの?」「産後すぐなんて、体がもつの?」「自分で撮ってもいいの?」——そもそも産後は、判断力も体力も落ちている時期です。予約や準備を落ち着いて考える余裕がないまま、気づいたら撮影に適した時期が過ぎていた、ということも起こります。
この記事では、撮影の時期の目安と理由、産婦人科の立場から見た安全上の注意点、そして当日までに準備しておくものを整理します。「きれいに撮る方法」ではなく、「お母さんと赤ちゃんに無理のない形で残す」ための情報としてお読みください。
ニューボーンフォトはいつ撮る?時期の目安
「生後2〜3週ごろまで」が一般的な目安
ニューボーンフォトは、新生児期(生後28日まで)、なかでも生後2〜3週ごろまでに撮影されることが多い撮影です。とくに、お腹の中にいたときのような丸まった姿勢を残したい場合は、生後2週間ごろまでが適しているとされます。
理由は、この時期の赤ちゃんに次のような特徴があるためです。
- 丸まった姿勢が自然に残っている——子宮の中にいたときの姿勢の名残があり、無理をさせなくても丸くなった形になります
- よく眠っている——1日の大半を眠って過ごすため、撮影中も起きにくい
- 反射的な動きが少ない——手足をバタバタさせる動きが増える前の時期です
生後1か月を過ぎると、起きている時間が増え、手足の動きも活発になります。表情も出てきて、これはこれで魅力的な時期ですが、「新生児らしい姿」を残したい場合は早めの時期が向いています。
ただし「早ければ早いほどよい」ではありません
ここは産婦人科として、はっきりお伝えしたい点です。
撮影の適期と、お母さんの体の回復は一致しません。
産後2週間といえば、まだ悪露が続き、傷が痛み、睡眠がまとまってとれない時期です。帝王切開だった方はなおさらで、退院してまもない頃にあたります。この時期に外出や来客の予定を入れることは、回復にとって決して軽い負担ではありません。体調が心配なときは、産後ケア入院という選択肢もあります。
また、赤ちゃん側にも配慮が必要な時期です。生後まもない赤ちゃんは体温調節が未熟で、感染への抵抗力も十分ではありません。1か月健診を終えるまでは、人の多い場所への外出を控えるのが一般的な考え方です。
そのため、実際には次のような判断になります。
- 自宅への出張撮影——移動の負担がなく、産後早期でも比較的取り入れやすい
- スタジオ撮影——移動が必要なため、体調と相談。1か月健診後に設定する方も多い
- 入院中の撮影——分娩施設が対応している場合、退院前に撮れることがあります(当院の場合は後述)
- セルフ撮影——時期を自由に選べる一方、安全面の配慮は自分で担うことになります
「理想の時期」より「無理のない時期」を優先してかまいません。 生後1か月を過ぎても、その時期にしかない表情が残せます。
予約は妊娠中に済ませておくのが現実的
撮影を希望する場合、妊娠中のうちに調べて予約しておくことを強くおすすめします。
理由は単純で、産後にこれをやるのは非常に大変だからです。生まれてから探し始めると、候補を比較し、条件を確認し、日程を決める——という作業を、睡眠不足と授乳の合間にこなすことになります。適期は数週間しかないため、間に合わないことも珍しくありません。
多くの撮影サービスは、出産予定日を伝えて仮予約し、出産後に日程を確定するという受け付け方をしています。妊娠後期に入ったら、検討を始めておくとよいでしょう。産院そのものを選ぶ段階の方は、産院の選び方の記事もあわせて参考にしてください。
徳重ウイメンズケアクリニックの場合
当院では、ニューボーンフォト専門の外部提携フォトグラファーによる撮影をご案内しています。入院中のお部屋で撮影でき、おすすめ時期は生後5日〜21日以内です。ご予約は産前の仮予約、または入院中にお受けしています。撮影日の調整や料金のお支払いは、提携フォトグラファーとの直接のやり取りになります。詳しくはニューボーンフォトのご案内をご覧ください。
安全に撮るために知っておきたいこと

産婦人科として、この記事でもっともお伝えしたいのがこの章です。
ニューボーンフォトには、SNSでよく見かける印象的なポーズがあります。しかしその一部は、新生児にとって負担が大きく、専門的な知識と補助なしに再現すべきではないものです。
避けたいポーズ
次のような撮影は、自宅でのセルフ撮影では行わないでください。
- 手のひらに頭をのせて支えるポーズ——首がすわっていない新生児の頭部を不安定に支える構図です。多くの場合、プロの撮影では大人が支えた複数の写真を合成して作られています。1枚の写真として実際にやっているわけではありません
- うつ伏せで顔を横向きにして長時間置く——うつ伏せの姿勢は、鼻や口がふさがれるリスクがあります。撮影する場合でも、必ず目を離さず短時間にとどめてください
- 高い場所やかごの中に置く——落下のリスクがあります。使う場合は必ず大人が手を添えられる位置で
- 体を強く曲げる・脚を無理に組ませる——関節や股関節に負担がかかります。新生児の股関節は脱臼しやすく、無理な姿勢は避ける必要があります
- 首をひねった姿勢——気道が狭くなる可能性があります
「かわいく撮ること」より「赤ちゃんが安全であること」が常に優先です。 撮影者に遠慮して黙ってしまう必要はありません。不安に感じたポーズは、その場で断ってかまいません。
撮影中に気をつけたい環境
- 室温——新生児は体温調節が未熟です。裸に近い状態で撮る場合は、室温を高めに保ち、短時間で切り上げる必要があります。冷えは新生児にとって負担になります
- 手指衛生——撮影者を含め、赤ちゃんに触れる人は手を洗う・消毒することを徹底してください
- 体調——撮影者や同席者に発熱や風邪症状がある場合は、日程を変更してください。新生児の感染症は重症化することがあります
- ストロボの光——直接目に向けた強い光は避けるのが無難です。自然光やレフ板を使った撮影が向いています
- 見守る人を必ず置く——撮影に集中していると、赤ちゃんから注意がそれます。撮る人とは別に、赤ちゃんを見る人がいる状態が理想です
授乳とおむつのタイミングを味方にする
赤ちゃんがよく眠っているタイミングは、授乳の直後です。お腹が満たされて、おむつが清潔な状態が、いちばん落ち着いています。
撮影のスケジュールは、時計ではなく赤ちゃんのリズムに合わせるのが結果的にうまくいきます。撮影サービスに依頼する場合も、この点を理解しているところを選ぶと安心です。
当日までの準備リスト

妊娠中にやっておくこと
- 撮影サービスを調べ、仮予約を入れる(出張撮影かスタジオか、費用、キャンセル規定を確認)
- キャンセル・日程変更の条件を確認しておく——出産は予定通りにいきません。産後の体調不良や赤ちゃんの入院で延期になる可能性を織り込んでおく
- 撮りたいイメージを2〜3枚保存しておく——産後に説明する余裕はないので、画像で共有できるようにしておく
- おくるみ・小物を用意する(後述)
- 撮影場所を決める——自宅の場合、日中いちばん光が入る場所を確認しておく
用意しておくとよいもの
撮影に使うもの
- おくるみ・ラップ用の布——伸縮性のある薄手のものが扱いやすい。白・生成りなど淡い色は赤ちゃんの肌がきれいに見えます
- 敷き布(ブランケット)——シワの出にくい素材が向いています
- 名前や生年月日を書けるもの——ボードやカード。日付が入ると記録としての価値が上がります
- 記念の品——ベビーリング、へその緒ケース、エコー写真、命名書など
- 兄姉の思い出の品——上のお子さんがいる場合、同じおくるみで撮ると並べたときに素敵です
赤ちゃんのために用意するもの
- おむつ・おしりふき——多めに。撮影中の交換は頻繁に起こります
- 着替え——吐き戻しや排泄で汚れることを前提に、複数枚
- タオル——防水シートやペットシーツがあると布を汚さずに済みます
- 暖房器具——季節を問わず、室温を上げられる準備を
お母さんのために用意するもの
- 飲み物と軽食——撮影は思ったより時間がかかります
- 授乳しやすい服——撮影の合間に授乳できるように
- 休める場所——横になれる場所を確保しておいてください。無理をしないでください
当日の心構え
いちばん大切なのは、思い通りにいかなくて当たり前と考えておくことです。
赤ちゃんは泣きます。寝ません。おむつを替えた直後に汚します。予定していたポーズが1つもできないこともあります。それでも、その日撮れた写真が、後から見れば「あの頃」の記録になります。
きれいに撮ることを目的にしすぎると、産後のお母さんの負担になります。 うまくいかなくてもかまわない、という前提で臨んでください。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 生後1か月を過ぎてしまいました。もう遅いですか?
A. 遅くありません。丸まった姿勢は残りにくくなりますが、表情が出てきて、目を開けた写真が撮りやすくなる時期です。「新生児らしさ」とは違う魅力があります。時期を逃したと落ち込む必要はまったくありません。
Q. 自分で撮っても大丈夫ですか?
A. 可能です。ただし前述の危険なポーズを再現しないこと、必ず見守る人を置くこと、室温に気をつけることの3点を守ってください。スマートフォンでも、窓際の自然光を使えば十分きれいに撮れます。
Q. 双子の場合はどうすればいいですか?
A. 2人一緒の構図は、それぞれの安全を確保する必要があるため、大人の手が複数必要です。並べる場合も、互いに覆いかぶさらない配置にしてください。経験のある撮影者に相談することをおすすめします。
Q. 赤ちゃんが入院していて、退院が遅れそうです
A. 赤ちゃんの体調が最優先です。落ち着いてからで問題ありません。医療的なケアが続いている場合は、撮影の可否を担当の医師・看護師に確認してください。保育器の中での様子を残しておくご家族もいらっしゃいます。
Q. 産後の体調が悪く、撮影どころではありません
A. 無理をしないでください。写真は後からでも残せますが、産後の回復は取り戻しがききません。日程の変更やキャンセルは、遠慮すべきことではありません。体調が長引く場合は、産後ケアの利用も含めてご相談ください(産後ケア入院とは)。
Q. マタニティフォトとどう違いますか?
A. マタニティフォトは妊娠中(妊娠後期、おおむね妊娠8〜9か月ごろ)に撮るもので、ニューボーンフォトは出生後の撮影です。両方を撮って並べる方もいらっしゃいます。
まとめ:「きれいに撮ること」より「無理なく残すこと」
ニューボーンフォトのポイントを整理します。
- 撮影時期の目安は新生児期(生後28日まで)、丸まった姿勢を残すなら生後2〜3週ごろまで
- ただし適期とお母さんの回復期は一致しない。無理のない日程を優先してよい
- 予約は妊娠中に。日程変更の条件も確認しておく
- 手のひらに頭をのせるポーズ、長時間のうつ伏せ、無理に体を曲げる姿勢は避ける。プロの写真の一部は合成であり、そのまま真似すべきではない
- 室温・手指衛生・見守る人の3点は必ず確保する
- うまくいかなくて当たり前。その日撮れた写真が記録になる
赤ちゃんの写真は、後から必ず「撮っておいてよかった」と思うものです。同時に、そのために産後のお母さんが無理をする必要もありません。安全に、無理のない範囲で——それが、いちばん良い写真の残し方だと考えています。
名古屋市緑区の徳重ウイメンズケアクリニックでは、提携フォトグラファーによるニューボーンフォトをご案内しています。サービスの内容やご予約方法はニューボーンフォトのご案内をご覧ください。産後の体調についてのご相談も、あわせてお受けしています。